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インベスコ・リミテッド(以下、「インベスコ」)は米国アトランタに本拠を構える独立系の資産運用会社です。前進企業が1935年に設立されて以来、拡大・成長を続け、現在では世界25カ国以上に拠点を展開。8,000名を超える従業員がおり、お客様の目標達成のために日々業務に献身的に取り組んでおります。
株式・債券などの伝統的な運用資産から直接不動産などのオルタナティブを投資対象とする運用戦略を網羅し、かつ商品の枠を超えたソリューションをお客様にご提供しています。ESGは、過去30年超に亘り積極的に取り組み、業界をリードしています。
インベスコは、ニューヨーク証券取引所に上場し、S&P500の指数構成銘柄に採用されおり、約130兆円の運用資産残高を誇る世界有数の運用会社へと発展しています。2020年末時点では運用資産の73%がアクティブ運用、27%がETFを含むパッシブ運用です。
出所:eVestment. 2020年9月末現在、11月6日作成
インベスコのパーパス(存在意義)は、「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」ことです。健全な環境や社会、ガバナンスの実践を企業 全体の活動に組み込み、顧客、株主、従業員、地域など、社会全体が正しい行動を実践していくことは、持続可能な社会を築いていくために極めて重要なことです。投資先企業との建設的な対話を積み重ねることによって、運用会社という立場から社会全体の変化に貢献できることは、私たちにとって喜びでもあり、結果として人々の投資体験をより素晴らしいものとし、人々の人生をより豊かにすることにつながっていくと考えています。
ESG投資にコミットすることは、インベスコが最も顧客志向の資産運用会社になるための重要な要素です。私たちの顧客やコミュニティ、全てのステークホルダーにとってESGは非常に重要であり、私たちにとっても重要です。
私たちは、ESG投資はサステナブル(持続可能)な未来に向けたソリューションとして重要であると信じます。資産運用業界が価値創造のために果たせる役割に関して総合的な視野を持つための変革要素だとESG投資を捉えています。私たちのESG投資へのコミットメントは単に業務的な部分にとどまらず、顧客が求める価値を実現するための行動の中核にあります。
インベスコのパーパスは素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにすることです。サステナブルな価値創造と効果的なリスク低減は、その目的を達成するための基盤でます。結果、私たちは投資プロセスの中核にESGを統合することにフォーカスしており、運用チームはESG統合をどう実践するか、また顧客とのエンゲージメントや議決権行使という重要な分野においてそれをどう活用するかについて日々意思決定を行っています。また、私たちは特定の顧客ニーズに応えるため、セルフインデックスなどの技術を駆使して適切なESGソリューションも提供しています。私たちのグローバルESGチームがこれらの分野における業務に対してガイド・サポート・情報提供しています。
私たちの顧客は、私たちが投資業界を改革するリーダーとなることを期待しています。また、次世代の投資家のためにはESGが前提条件となります。私たちは多くのことを成し遂げましたが、まだ多くのやらなければならないことが残っていることも理解しています。
日本におけるインベスコ・アセット・マネジメント株式会社は、グローバルに展開し長い歴史と実績に裏付けられたグループの卓越した運用力を活かし、国内外の株式や債券等の伝統的資産の運用から、バンクローン、不動産、プライベートエクイティをはじめとしたオルタナティブ等の非伝統的な資産の運用までを取り揃え、35年超に亘り日本の投資家の皆様の課題やご要望にお応えできる幅広い投資商品・サービスの提供に努めています。
お客様から委託をうけた資金を運用する会社にとって、お客様との契約に沿ったリスク(インベストメント・プロセス)の範囲内でリターンを極大化することがミッションであることは論を待たないでしょう。そのリターンの源泉を辿ると、投資先企業のビジネスモデル/経営戦略による競争優位性に基づく持続的成長にあると当社は信じています。その持続的成長性を様々な角度から調査分析し、長期的な視点から企業への投資をしています。
長期的な持続的成長を分析する上では、ビジネスモデル/経営戦略の優位性と差別化された技術を含む革新性をベースとし、強固なフリーキャッシュフローの創出、資本の適切な配分による成長性および資本生産性の向上、配当を含む余剰資金の配分政策等が必要です。そして、その持続性を担保するための重要な要素が企業のESGに対する取り組みとそのパフォーマンスにあると考えております。特に、コーポレート・ガバナンスがE(環境の保全や改善への取り組み)とS(従業員を含む様々なステークホルダーに対する配慮)を規定するものとして重要です。このような企業のESGへの取り組みが、その企業価値拡大の持続性を高めることにつながると考えます。そして、その取り組みは一企業を超えて、究極的には社会全体の持続性を高めることに繋がることになり、投資家の責任としてESGを投資プロセスに統合することが求められてきています。
当社では、実際に投資判断するポートフォリオ・マネジャーとリサーチ・アナリストが企業のESGへの取り組みを評価し建設的対話をすることを通じて、投資プロセスにESGを組み入れています。投資先企業に対する知見が最も高いリサーチ・アナリストおよびポートフォリオ・マネジャーが、投資判断の一環としてESGのリサーチを行い、必要に応じて直接企業との建設的対話をする体制は、アクティブ投資家としてのスチュワードシップ活動の高い実効性を担保していると考えています。
企業の事業とその戦略に対する深い理解を持つリサーチ・アナリストとポートフォリオ・マネジャーが行う建設的対話が、企業にとって持続的成長に向けての何らかの気づきをもたらすことができたら、これはまさにWIN-WINの関係と言えるでしょう。当社は、ハイコンビクション・アクティブ長期投資家として、長期持続的に成長する企業を発掘し、建設的対話を通じて寄り添うことで、WIN-WINとなる投資をしていきたいと考えています。
当社は、実効性の高いスチュワードシップ活動を実践するにあたり、当社で投資判断する日本株式戦略におけるポートフォリオ・マネジャーとリサーチ・アナリストが主体となり、企業とESG 評価を含む建設的な対話を行うとともに、株主議決権行使の意思決定を行う体制を築いています。また同時に、このスチュワードシップ活動をより強固なものにするためのガバナンスを以下のように整備しています。
責任投資委員会が当社におけるスチュワードシップ活動を統括し、その活動を利益相反管理委員会が主に利益相反の観点からモニターします。
責任投資委員会は、運用部門を所管する取締役、コンプライアンス部長及びレスポンシブル・インベストメント・オフィサー等によって構成され、当社におけるスチュワードシップ活動方針、議決権行使ガイドライン等の決定・承認、そしてその活動を統括します。
議決権行使結果およびスチュワードシップ活動は適宜責任投資委員会に報告されます。株主議決権行使のガイドラインは当社の議決権行使判断における原則であるものの、議案によっては委託者(投資家)および受益者の利益の最大化のために、投資先企業との間に建設的な対話の機会を持った上で、特別な判断を行う場合があります。その場合は、予め責任投資委員会において承認を得ることとなっています。
一方、議決権行使を含むスチュワードシップ活動における利益相反管理が適切に行われたか否かについては、コンプライアンス部門がレビューを行い、利益相反管理委員会がモニターします。それらの結果は、利益相反管理委員会から当社の経営委員会およびグローバルのProxy Advisory Committeeに報告されます。
利益相反管理委員会は、コンプライアンス部長が委員長を務め、管理本部長、内部統制監理本部長、リスク管理部長、法務部長をメンバーとし、更に監査役および内部監査部がオブザーバーとして参加することにより、営業部門・運用部門といったビジネスの現場から独立して、利益相反をモニターし管理する機能を有しています。
責任投資委員会および利益相反管理委員会の主要メンバーであるコンプライアンス部門は、インベスコで指揮系統が運用部門、営業部門から独立しています。更に、コンプライアンス部門を含む全部門から独立した内部監査部門が管理体制をレビューすることで、より強固な管理体制を実現しています。
当社では企業のESG戦略とそのパフォーマンスは、長期的な企業価値拡大の持続可能性に大きな影響を及ぼすと考えています。別の言い方をすれば、長期投資家としてESG情報の分析は投資判断の確信度をあげるための重要な要素であると考えています。従って、投資判断の最終的な意思決定を行う際には、主に財務情報に基づくファンダメンタルズリサーチに加えて、ESG戦略の評価を含む定性的な情報の分析を重視しています。ESG情報の分析は、企業からの各種開示情報や外部のESG情報ベンダーによるリサーチ等の活用に加え企業との建設的な対話を通じて得られた情報等をもとに行います。その過程で、各企業のESGに関する重要課題(マテリアリティ)をとらえるように努めています。ESG情報は、それ自体のみをもって投資判断を行うことはしませんが、企業価値拡大の持続可能性を判断する重要な要素の一つであると捉えています。
当社では、企業とのミーティング、特にマネジメントとのミーティングは投資判断を行うにあたって大きな比重を占めております。長期投資家として、持続的な企業価値向上を重視し、中長期的視点に立って企業とのミーティングに臨んでいます。投資判断に必要な情報を得るとともに、必要に応じて様々な対話を行い、またこうして得られた情報等はチーム内で共有しています。
投資判断の最終的な意思決定を行うポートフォリオ・マネジャーが、投資先企業との間に建設的な対話の機会を持つことは非常に重要であると考えます。長期投資家として、持続的な企業価値向上を重視し、中長期的視点に立って企業とのミーティングに臨み、投資判断に必要な情報を得るとともに、必要に応じて様々な対話を行います。従って、特に事前にアジェンダを設定していない場合でも、投資先企業との通常のミーティングにおいてESG戦略を含む様々な建設的な対話を行う機会は多くあります。
企業におけるESGの重要課題(マテリアリティ)およびその望ましい対処法については、各企業における事業環境や成長段階等によって異なると考えています。そうした状況を前提として自社リサーチおよび外部リソース等を活用し企業との建設的な対話を通じて得られた情報等をもとに、考慮すべきマテリアリティを把握するように努めています。ESG情報に関しては、それぞれ以下の観点から投資先企業の状況を把握し、必要に応じて対話を行います。各投資先企業の状況を把握するための具体的な項目を下記に掲げます。ただし、情報の取得可能状況や必要性の変化等に応じて適宜見直します。
インベスコは長期アクティブ投資家としての投資判断の確信度、投資先企業の経営に対する信頼度を高めるためにESG情報及び建設的な対話が必要であると考えています。持続的な企業価値拡大という投資家と企業の共有する目標へ少しでも資するようなスチュワードシップ活動を行っていきます。企業の方だけでなく運用会社においても開示の重要性が高まっていると認識しています。自らにおいても企業に対する調査能力、対話のスキルや開示の拡充を経て更なる相互理解の構築を目指しています。今後とも長期アクティブ投資家の視点からESGや情報開示に関する積極的な対話に臨みたいと考えています。